
音楽療育教室「SKY MUSIC下北沢」インタビュー
2017.08.10スタジオそらから音楽に特化した音楽療育教室が、2017年7月期間限定オープン!児童発達支援・放課後等デイサービスの枠組みから飛び出し、音楽のちからで子どもたちの個性を引き出す「SKY MUSIC下北沢」では、スタジオそらの音楽文化療育士の引田香織・小俣景鼓が子どもたちの笑顔をサポートをします。
お二人の音楽との出会いは?
引田香織:
4歳でピアノを習い始めたときが音楽との出会いです。3年から4年経っても楽譜が全く読めず、読めるふりの限界を感じて諦めましたが…。
海の近くで育ったので、波の音や、風で葉が触れ合う音、感じたことを笛や歌で表現するのが好きでした。今もその延長で、音楽教育を目指したわけでも、音大で教育を受けたりしたわけでもないんです。
小俣景鼓:
私も4歳でピアノを。ショパンやバッハなど、オーソドックスな教育を受けました。両親の反対で音大には進めず、独学で声楽を始めて、ジャズフェスで受賞後、1999年にブラジルの音大に留学しました。
声楽から作曲家に転向したので大学生活は5年間。音は浮かぶのに詞が出てこなかった。言葉で表現するのが苦手だったんです。
私の家庭環境は複雑だったので、音楽で気持ちを表現しないと自分の意思が伝わらなかった…。作曲という行為は感覚的で、感情を音でグラフィック化できます。私は内にある感情を音を通して表現し、コミュニケーションをとっていました。
子どもたちの音楽の反応について
引田香織:
子どもの気持ちや、その時の思い、行動を感じてあげて、何回かレッスンを重ねていくうちに子どもたちとの接し方が分かってきました。
教室に入ること自体を拒否する子どももいるし、打楽器が嫌いな子どももいる。反応をみて音楽の世界に誘導していくようにしています。
小俣景鼓:
音楽にしかできないことがあると感じました。
レッスンは45分だけど、その時間が持たないという子どもはいません。むしろ足りないくらい…。
保護者の反応を見ながら、興味の向く方向にリードしていきます。回を重ねるごとに、子どもたちが音楽の世界に積極的に入ってくるのを実感します。
今後のスタジオそらの音楽文化療育は?
引田香織:
限られた時間の中で、何回褒めてあげられるか?
例えばタンバリンを3回たたくとき、1回しかできなかったとしても1回できたことを褒めて、あと2回やってみようと言う。
私は素直に感じるままを音楽で表現してきました。子どもの気持ちに寄り添って、自然の中で感じる思いや「ありがとう」「ごめんね」という気持ちを、そのまま歌や音で他者とコミュニケーションできる選択肢もあるのだということを伝えていきたいです。
小俣景鼓:
やる気を実感させてあげたい、できることは力になることだと教えたい。
楽器で音に触れ、歌と触れることで、自然に音楽性が豊かになり、精神も安定する。さらに持って生まれた音楽性を伸ばす機会にも繋がるかもしれません。
音楽で発散することは、エネルギーにもつながり、癒しにも繋がります。私たちは子どもの手伝いをしていると思いながらやっています。