発達支援療育の実例と保護者の声④
2019.05.13スタジオそら喜多見に通所されているお子さまの課題や、スタジオそら喜多見で行っている発達支援療育、さらに療育を受けてからのお子さまの変化などをお伝えします。
保護者が感じていた子どもの課題
障害等の診断はない(受けていない)、3才の男の子。
言葉が遅い、ジャンプが出来ない、椅子に座っていられない、指示に応じないことが気になってスタジオそらに通所を始めました。同年齢に比べて非常に幼く心配していました。
スタジオそらで設定した支援目標
①言語・コミュニケーション
拒否や要求があった際に噛む以外の代替行動を身につける。
(発語を促すことと問題行動の軽減)
②認知・行動
始めと終わりの挨拶を椅子に座ってできるようになる。
(じっとしていることが苦手なため、場面の切り替えの理解、終わりと始まりの理解)
③運動・感覚
ラダーの半分の長さでグーパージャンプができるようになる。
(脚力アップ)
④運動・感覚
鬼ごっこの前段階の遊びができるようになる。
(1年後に鬼ごっこのルール理解を目標とするため)
スタジオそらで行っている発達支援療育
スタジオそらで実際に行っている50分の発達支援療育を紹介します。
<プログラム① あいさつ/机上課題(工作)>
スタジオそらに来所し準備ができたら、椅子に着席し、先生と「よろしくお願いします」と挨拶を交わします。机上課題として、工作プリントを準備し、子どもに課題の説明を行います。
机上課題は、「工作をする」ことを目標としているのではなく、あくまで支援目標①「拒否や要求があった際に噛む以外の代替行動を身につける。」と支援目標②「始めと終わりの挨拶を椅子に座ってできるようになる。」に対するプログラムとして取り組んでいます。
拒否が噛む・大声を出すなどの問題行動として出た場合は、「やりたくない」を引き出す言語プロンプトとして1文字目の「や」を先生が言うなど、適切に拒否を表現できるように促します。
<プログラム② グーパージャンプ>
支援目標③に対するプログラムとして、ラダーを準備し、枠内に足を閉じて「グー」、枠外に足を開いて「パー」でジャンプで前へ進みます。成功回数を増やすため、スモールステップとして、キッズステップ(踏み台)を準備し、高い位置から飛んで降りる際に足の開閉の練習を行います。
<プログラム③ しっぽとりゲーム>
支援目標④「鬼ごっこの前段階の遊びができるようになる。」に対するプログラムです。鬼ごっこのルールの中で、追いかけてタッチするまでの理解と行動が行えるものとして、しっぽとりゲームを行います。
タッチをしっぽという形で可視化できるため、子どもにとって理解しやすくなります。
<プログラム④ あいさつ>
プログラムが終了したら、先生と向かい合って「気をつけ」の声掛けで姿勢を正し、先生と一緒に「ありがとうございました」と礼をして終了します。
スタジオそらに通ってからのお子さまの変化
最初はスタジオに入るまでが長く、慣れてくると今度は帰りたくないと大騒ぎでしたが、その都度本人が行動できるように全ての先生が一緒に促して下さるおかげで、最近では行きも帰りもスムーズになってきたと思います。
本人の中で先生方に対する信頼が出来上がってから、机上課題や指示も少し頑張れたり、その場で出来なくても家でこっそり練習したり(カエル跳びなど)しています。
3歳過ぎても言葉は不明瞭で唐突で先生に全く伝わっていませんでしたが、今は50%くらいは伝わるようになったと思います。今は先生と楽しく遊ぶ中で少しずつやり取りやルールについての理解が進むことを期待しています。