スタジオそらで発見!可愛い・楽しい子どもたち ~切り替えのための見守り編~
2022.05.09スタジオそらで発見!可愛い・楽しい子どもたちシリーズでは、スタジオそらの発達支援療育士が発見した子どもたちの可愛い・楽しいエピソードを紹介します。
スタジオそらには発達が気になる18歳未満のお子さんが通っています。エピソードは発達障害の特性によるものから、お子さん興味・得意なことなどからくるものまで、様々なものを集めています。
この鍵に合うのはどの鍵穴?
スタジオそらには、主に運動をする大きな部屋、机がある小さな部屋、面談室、スタッフルーム、トイレ、倉庫…等々、様々なお部屋があり、その数だけ扉と、そして鍵穴もあります。
スタジオそら大岡山に通う、ある3歳の男の子は、最近鍵に大ハマり中。お母さんの自転車の鍵を借りて、あちこちの鍵穴に合わせながら歩き回ることが楽しくて仕方ないようです。
ある日もお母さんの自転車の鍵を手に持ち、スタジオそらに来所されました。玄関で靴を脱ぎ、靴箱に揃えて入れると、早速スタッフルームの鍵穴に鍵をあてカチャカチャ。鍵は鍵穴に合いませんでした。
次はどの鍵穴に試そうかなとドアを選びに行こうとしたところで療育が始まる時間になり、お母さんが預かろうと鍵を持つ手に触れようとします。しかしお子さんは鍵を手放そうとしません。本人の様子をお母さんとスタッフで見守ってみることにしました。
お子さんは順番にスタジオそらのドアを回り、鍵を鍵穴に合わせます。このドアはどうだろう、こっちのドアはどうだろう。ドアノブを操作することもなく、鍵穴に自転車の鍵を当ててみていきます。
一通りスタジオ内の鍵穴に鍵を合わせると、お母さんに鍵を返し、すぐに身支度を整えて療育へと切り替えて活動を始めることができました。
切り替えてほしい場面でも時には見守ることが大切
大人が日々様々な鍵を使い分けている様子をよく見ており、この鍵はここには使えるのかな、あそこには合うかな、と気になってしまったのかもしれません。もしくは、鍵が合わないことはよく理解した上で、鍵開けの見立て遊びを全てのドアでしておきたかったのかもしれませんね。
お子さまは日々様々なことを観察し、また自分の世界観とリンクさせ、イメージや発想を膨らませていきます。
今はやるべきことがあるんだけどなぁ、と思ってしまいそうな場面でも、一旦見守ったり、お子さまのイメージに乗じ互いに共感しあったりすることは、時には大切なことかもしれません。無理矢理やるべきことをさせようと押し問答のようになってしまうより、ある程度自分で区切りの良い所まで見守っておいた方が、やるべきことに戻るのがずっと早くなる場合もあります。
今回のケースでも、自分のイメージを形にして満足できた後は、自ら鍵を手放し、上手に切り替え、意識をプログラムに集中させることが出来ました。スケジュールとバランスを取りつつも、お子さまの無限大の発想を尊重し、広がりを見守ったりサポートしたりしていきたいですね。