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特集
子どもの発達と育児をテーマに茂木健一郎×C.W.ニコルトークイベント。輝け!地球の子どもたち2016TOKYO

輝け!地球の子どもたち2016TOKYO開催!

2016.10.01

「もっと自然体で子どもの発達と育児を楽しむ。そんなトークイベントを実施しようよ!」
アース・キッズ株式会社代表高見裕一のこんな想いから始まった「輝け!地球の子どもたち2016 TOKYO」。2016年9月22日、ナチュラリストのC.W.ニコル氏と脳科学者の茂木健一郎氏をゲストに迎え、世田谷区の北沢タウンホールにて開催されました。

当日は多くのスタジオそら会員の皆様をはじめとして300名近い方々がご来場下さいました。来賓の保坂展人世田谷区長から強い励ましのお言葉を頂き、ゲストのお二人には来場者から多くの質問が投げかけられる等、社会的関心の強さを改めて知る機会ともなりました。

ご参加頂けなかった会員の皆様には、ゲストのお二人からのメッセージと合わせて、当日の模様をダイジェストでご紹介させて頂きます。今後も会員の皆様に有益な情報をお届けするため、様々なイベントを企画していきたいと思いますので、ご支援下さいますようお願い致します。

木と木の間に花が咲く理由!?

ニコル:

人間の社会も同じことが言えますが、光は下まで通さないとだめなんです。天然の森だったらね、大木が倒れるとポーンと光が入るでしょ?それから天然の原生林はいろんな高さのものがあるから、光は横からも入るようになるんです。
光が入るから、木と木の間に花が咲くんです。
小さな花と大きな木、どっちが大事かっていう話になると思うんですが、僕は両方が大事だと思っています。両方ない時点で、自然じゃありません。僕は自分の体験もあって深く信じてるのですが、子どもたちにとって森は絶対に必要なんです。
東松島の皆さんがアファンに来た時、特に大人は暗かったですよね。当たり前です。あれだけすごい災害に遭われたんですから。
でも、子どもたちは自然の中で遊びだしたら、このように無邪気な笑いを見せてくれました。その笑顔につられて、親の顔にも笑いが戻ったんです。

障害と言われるものは全て個性に過ぎない!?

茂木:

科学的な立場から見た時、いわゆる「障害」と言われるものは、すべて個性にすぎないということが言いたいんです。ただ、その個性の中で今、我々がつくった社会の中で学んでいく上で、ちょっと特別な配慮が必要だったり、場合によっては譲歩しなければならない子どもたちがいるというだけの話なんです。
要するにね、障害というのは、じゃあ、広葉樹林っていうのはあれでしょ、それ何か、効率よく材木つくりたいっていう人にとっては障害なんでしょ?あの広葉樹林って障害林だから。分かる?その感じ。単なる人間の計り間違いなんですよ、障害なんていうことは。と思ったら、何か楽しくなってきませんか。
僕はいろんな人を観察して分かったことがあるんですけど、手間がかかる、いわゆる手間がかかる子がいると、周りの人が素敵な人になってくんですよ。
例えばね、何らかのタイミングで大声出しちゃう子がいるとするじゃないすか。そういう子がいたら周りの子は考えるんですよ。じゃあ、どうしたら我々はこの子も一緒に楽しめるようにできるか、って。

自然と運動は脳の発達に関係がある!?

茂木:

僕は公園でランニングしながらチョウチョとか虫とかを実際に見てるんですけど、その公園ではおじさんたちが、歩きながらポケモンを捕まえてるんですよね。

 

ニコル:

健康な森の中に入ると、小川が笑ってる音に聞こえるんですよ。それを聞くと、大抵人間も安心できる。笑ってる小川は危険じゃない。酸素がいっぱい混ざってる。森の中だから飲み水もある。また、たき火。たき火を座って見ると、アルファ波の出安い状態になります。

 

茂木:

親が子どもの人格形成に大きな影響を与える場合っていうのは、例えば、虐待してる時とかネグレクトの時はものすごい影響を与えますよね?でも、いい親で、いろんな人と会わせて、子どもを自由に探索させてたら、親の影響って統計的にはどんどん、どんどんゼロになっていくんです。そういうのが「いい親」なんですね。
自分で支配しようとしたり、自分の作品だと思ってる親は最悪の親なんです。
生後どれぐらいかっていうのを横軸にとって、縦軸に遊び時間をとると、動物の場合はある時にピークが出て、その後大人になるとあまり遊ばなくなるんです。遊んでる時に小脳っていう、脳の運動制御の一番大事な回路のシナプスの繋ぎ変えが一番、起こるんですよね。だから、遊ぶことで脳の回路が繋ぎ変わってるっていうことはエビデンスとしてわかってます。ですから、体を使って遊ばないと脳は発達しない。

 

ニコル:

大体、1日、2日ぐらいで子どもたちの声が変わります。笑い方は、僕がいうところの「テレビ笑い」じゃなくて、無邪気な笑いになる。そして、手を出す。「ねえ、ねえ、見て。」とか、スキンシップがあるんですよ。それは写真をいっぱい見るだけでもわかると思います。いやらしい意味じゃなく、人間の距離が近くなっていくんです。子どもによりますが、質問をどんどんするようになりますね。とにかく明るくといえます。

 

茂木:

アスペルガーといっても一人ひとり違うので、あまり気にされないほうがいいです。おそらく僕もアスペルガーのどこかにかかっていると思いますけれども、あまり気にしたことがないので言えることですかね。一般に、心の議論というか、相手の心を読み取る能力が苦手だという言葉も文献的には定説のように言われていますが、逆にこれは重要なポイントなんですけど、いわゆる健常児でも相手の心はそもそも分からないっていうことがすごく大事なポイントなんです。

茂木 健一郎 プロフィール

茂木健一郎

1962年東京生まれ。脳科学者
「クオリア」(感覚のもつ質感)をキーワードとして、脳と心の関係を研究。
東京大学理学部、法学科卒業後、東京大学大学院理学系研究所物理学専攻課程修了。理科学研究所、ケンブリッジ大学を経て、東京大学、大阪大学、早稲田大学非常勤講師。
2005年『脳と仮装』で第4回小林秀雄賞を受賞、2009年『今、個々からすべての場所へ』で第12回桑原武雄学芸賞を受賞。2006年~2010年NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』キャスター。

C.W. ニコル プロフィール

C.W.ニコル

1940年 英国ウェールズ生まれ。作家・ナチュラリスト
アファンの森(日本ユネスコ協会連盟「プロジェクト未来遺産に登録」)財団代表。
17歳でカナダに渡り、カナダ水産調査局北極生物研究所技官として、海洋哺乳類の調査・研究。カナダ環境保護局の環境問題緊急対策官として石油、化学薬品の流出事故などの処理にあたる。1980年、長野県黒姫に居を構え、自ら荒れた森を購入、生態系の復活を試みる。1995年、日本国籍を取得。2005年、英国エリザベス女王陛下より名誉大英勲章を賜る。
2011年、東日本大震災の被災地、宮城県東松島市で復活支援事業「森の学校」に携わる。

スタジオそら事務局

スタジオそらの事務局です。スタジオそらからのお知らせや、旬なニュース、子育てに役立つ情報などワクワクする情報をお届けします。

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