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特集

療育をすすめられたら?①児童発達支援事業所の探し方まとめ

2021.08.09
  • 地域資源を活用し児童発達支援事業所を探す方法
  • インターネットを活用し児童発達支援事業所を探す方法
  • 口コミや紹介から探す方法

 幼稚園や保育園、健診、医療機関などで療育をすすめられた際、最初に保護者がぶつかる壁はどのように探せばいいのか、どのようなポイントで療育先を選べばいいのかという疑問ではないでしょうか。子どもや家庭の状況は様々で、子どもに合った施設を探したいと思っていても、専門用語も多く困ってしまう保護者は少なくありません。

 

お子さまが未就学児の場合、療育センターや児童発達支援センター、児童発達支援事業所が療育を受ける代表的な施設になりますが、比較的施設数が多く療育を受けやすい、児童発達支援事業所に焦点を当て、探し方、選ぶポイント、よくある疑問について全3回に渡って解説します。

 

この記事では、児童発達支援事業所の探し方について、詳しく紹介します。

(事業所の選び方については10月更新の記事で記載予定です。)

(よくある疑問・料金については12月更新の記事で記載予定です。)

 

地域資源を活用し児童発達支援事業所を探す方法

  • 市区町村の福祉窓口で相談

 自治体によっては児童発達支援事業所一覧や、事業所の詳細情報をまとめた冊子を準備していることもあります。また、窓口の職員に希望の条件を伝えると、希望に近い児童発達支援事業所をピックアップしてくれることもあります。

 

 市区町村の福祉窓口は児童発達支援事業所と連絡を取り合うことが多いため、事業所に空きがあって入りやすいのか?人気があって入りにくいのか?送迎をやっているか?保護者からの評価がいいのか?過去に苦情はあったか?などの質問に答えてくれる場合もあるかもしれません。

 

情報開示の範囲は自治体によって異なりますので、気になることがあれば一度質問してみるといいでしょう。

 

  • 相談支援事業所や市区町村の発達相談窓口で相談

 相談支援事業所や市区町村の発達相談窓口では、福祉サービスの利用援助として情報提供や相談を受け付けています。どのような児童発達支援事業所が合っているかわからない、事業所がどのような内容の療育をしているのかわからない、療育以外に受けられるサービスがあるのかなど、児童発達支援事業所を選ぶこと以外の相談もしたい場合は、活用してみるのをおすすめします。

 

発達相談窓口は、自治体によって設置されている場所が異なります。子育て支援センターに併設されていたり、療育センターに併設されていたり、役所に設置されていたり様々ですので、お住いの自治体で確認が必要です。

 

インターネットを活用し児童発達支援事業所を探す方法

  • 福祉・保健・医療の総合サイト「WAMNET」で検索

 WEBサイト「WAMNET」の「障害福祉サービス等情報検索」を利用することで、全国の児童発達支援事業所の情報を入手することができます。情報は1年ごとに更新されるため、オープンしたばかりの事業所情報は反映されていない場合があります。

 

  • 自治体HPの一覧を確認

 市区町村のHPは児童発達支援事業所の情報が一覧で掲載されていることがほとんどです。しかし市区町村のHPは様々な情報が掲載されていることから、該当ページまでたどり着くのが難しい場合があります。なかなかたどり着かない場合は「〇〇区 児童発達支援事業所」などのキーワードで検索をかけると、検索結果の上位に該当ページが来ることが多いので、一度試してみてください。

 

  • 民間で運営されている事業所検索サイトで検索

 民間で運営されている事業所検索サイトは、検索が簡単にでき、分かりやすいレイアウトで見やすくなっていることが多いです。しかし自治体と連携が取れていることは稀なため、掲載されている情報にバラつきがあったり、最新の情報でなかったりすることが多いので注意が必要です。

 

  • インターネットでキーワード検索

 GoogleやYahoo!などのサーチエンジンを利用し、「〇〇区 療育」「〇〇市 児童発達支援」などのキーワードで検索する方法です。キーワード検索は必ずしも全ての事業所が検索結果に出てくるわけではないので注意は必要ですが、WEBサイトに直接アクセスできることから詳細情報を獲得しやすい方法と言えます。

 

口コミや紹介から探す方法

  • 保護者からの口コミ

 意外と多いのがお友達の保護者からの口コミや紹介です。先に児童発達支援事業所で療育を受けている保護者と繋がりがあるのであれば、プログラムの内容や先生の質などを聞いて決めるのもいいかもしれません。

 

 しかし既に通っている保護者からの口コミは、メリットとデメリットがあるので注意が必要です。

 

メリットとしては、利用者目線で知りたい内容を教えてもらえる可能性が高いことが挙げられます。例えば質の高い療育の事業所を選びたい場合、口コミ以外の情報元では「どのような資格の先生が何人いるのか」などの情報で判断するしかありません。実際には資格を持っていても、子どもとの接するのが苦手だったり、専門的知識を活かした療育を行っていなかったりする場合があります。「質の高い療育」のように、それぞれ評価が分かれる部分をポイントに事業所を選ぶ場合は、口コミから選ぶことをおすすめします。

 

デメリットは、口コミは正しい情報・最新情報ではない場合がある点です。保護者はご自身の経験が情報の全てですので、どうしても偏った情報になってしまうことがあります。例えば通ってきているお子さんの障害の程度や特性の種類は、日によって自閉スペクトラム症のお子さんが多い日もあれば、ADHDのお子さんが多い日もありますし、グレーゾーンのお子さんが多い日もあります。口コミで「グレーゾーンのお子さんばかり通っている」と聞いていたが、ご自身が通所する日が必ずしもそうとは限りません。

 

あくまでも教えてくれた保護者が経験し感じたことであり、それが必ずしも正しい情報ばかりではないということを念頭に置いておく必要がありそうです。

 

  • 病院や幼稚園、保育園からの紹介

 病院や幼稚園、保育園の先生は、発達が気になるお子さんの保護者と会話をすることが多いことから、様々な情報を持っていることがあります。また、普段お子さんの様子を見ている先生であれば、どのような支援が向いているのかアドバイスをしてくれることもあります。個人情報保護の観点や情報の偏りを避けるため、必ず答えてくれるとは限りませんが、一度相談してみるのも良いかもしれません。

 

事業所を探すことが療育先決定の第一歩

 スタジオそらでは、保護者からの口コミ、発達相談窓口からの紹介、自治体の窓口からもらった一覧を見て、インターネットのキーワード検索が、問合せのきっかけとして多くなっています。

 

事業所を決める上では、ご自身のお住まいなどから通所ができそうな事業所を数か所に絞り込み、その中からお子さんの状況や希望に合う事業所を探すという順序が最も多くなっていますので、ご自身に合ったやり方で児童発達支援事業所を探してみてくださいね。

 

発達障害療育研究所

スタジオそらに所属する言語学博士、言語聴覚士、臨床心理士など、様々な分野の専門家が集まる研究所です。発達障害を中心に、関連の情報を分かりやすく解説します。

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