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ダウン症のお子さん

ダウン症(ダウン症候群)とは?原因と症状、発達と支援のポイントを解説します

2024.01.08
  • ダウン症候群の原因
  • ダウン症候群の症状
  • ダウン症の顔つきの特徴
  • ダウン症の子どもの発達のポイントと支援の観点

「Down syndrome(ダウン症候群)」は、1965年にWHOにより、最初の報告者であるイギリス人のダウン博士の名前をとって「ダウン症候群」と呼ばれています。

ダウン症候群の原因

 私たちの体の中には通常、46本の「染色体」というものが入っています。そのうち、47本をもって生まれてきたのがダウン症の人たちです。通常21番目の染色体が1本多く3本あるため、「21トリソミー」とも呼ばれます。どの国でも約800人から1000人に1人の割合で生まれ、ダウン症は偶然的に起こることがほとんどとされています。 (HP:国立医療センター)

 

 ダウン症には3つのタイプがあります。

【21番トリソミー】

本来染色体は、2つで1組となっているところに、何らかの理由で染色体が3本になっています。大半のダウン症がこのタイプだといわれています。

 

【転座型】

21番トリソミー型に次いで多いタイプです。21番染色体の一部が14番染色体などにくっつき(転座)、過剰になっている状態です。

 

【モザイク型】

受精卵が分裂する際に異常が生じて、23組46本の染色体をもつ細胞と23組47本の染色体をもつ細胞が混ざり合っている状態です。

ダウン症候群の症状

・ゆっくりと発達する

 発達の道筋は、通常の場合とほぼ同じですが、全体的にゆっくりと発達していきます。また、聴力が弱い場合があることが指摘されているため、発語の遅れや語彙の少なさ、発語の不明瞭さなどが認められる場合もあります。

 

・筋肉が柔らかい

 筋肉の緊張が低く、多くの場合、発達に遅れがみられます。

 

・合併症の病気の可能性がある

 ダウン症候群の全ての方に認められるわけではありませんが、心臓の疾患、消化器系の疾患、甲状腺機能低下、眼の疾患、難聴などを合併することがあります。そのため、心疾患や感染症などによって、幼少時に重篤な状態に陥ることが多かったことなどから、1960年代ごろまでにはダウン症の方は寿命が短く、10歳前後とされていました。しかし、最近の医療や療育、教育の発展等によって、早期発見や早期治療、生活習慣指導等のさまざまな支援が効果を発揮し、現在は約60歳が平均寿命と言われています。

 

ダウン症の顔つきの特徴

 耳が低い位置にある。目がつりあがっている。鼻が低いなどがあります(HP埼玉県立小児医療センター遺伝科)。ただし、ダウン症がある方の顔の特徴はありますが、顔も性格も一人ひとり違っていて自分の両親に似ています。

ダウン症の子どもの発達のポイントと支援の観点

 ダウン症の特性として、発達がゆるやかであったり感染症にかかりやすいなど保護者から健康管理面などで心配されるところも多くありますが、無理なく、たのしく身体を動かしたり、コミュニケーションをとっていくことは大切です。言葉の出始めも少し遅れたりしますが、育ちの速さやペースではなく、育ち方に目を向けることが大切です(池田,2018)。

 

 ダウン症の子どもたちの多くは、明るく元気な性格をもつともいわれています。人懐っこく、近年では動画配信を行ったり、モデルとしてデビューする方もいたりするなど、高い社交性を持つような側面もうかがえます。

 

その一方で、言語的なコミュニケーションの苦手さや顔つきなどをからかわれたり、いじめられたりするようなことも起こりえます。いやな場面から適切に逃げたり、保護者や教師に相談したりしつつ、徐々に自分でも対処できるようなソーシャルスキルを養っていくことが求められます。

 

また、できていること、できるようになったことを、子ども自身が適切に理解できるよう、しっかりとフィードバックをし、自信を持たせる関わりも必要です。

まとめ

 さまざまな合併症が懸念されることから、医療との継続的な連携は必須となってきます。あわせて、教育、心理、福祉などの多機関と適切に情報共有しながら長期に渡って一貫した支援が求められます。保護者の意向を、医師や心理師、福祉士等に相談しつつ、成長に応じて子どもの気持ちや考えを尊重しながら支援の形を探っていくことが理想的であるといえるでしょう。

 

引用・参考文献

HP国立医療センター    

https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/006.html

HP埼玉県立小児医療センター遺伝科

池田由紀江(2018)ダウン症のすべてがわかる本 講談社.

 

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小関俊祐/発達障害療育研究所アドバイザー

桜美林大学心理・教育学系准教授。 日本認知・行動療法学会公認心理師対策委員及び倫理委員、一般社団法人公認心理師の会運営委員及び教育・特別支援部会長、日本ストレスマネジメント学会常任理事・事務局長を務める。 2019年より発達障害療育研究所・スタジオそら顧問として活動。

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