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絵本の読み聞かせをするコツや方法、絵本選びのポイントをお伝えします。

子育て絵本アドバイザー 前田ちひろ/子どもと絵本を楽しみたい!読み聞かせのコツと絵本選びのポイント

2019.01.15

 子どもの絵本の読み聞かせについて、こんなことってないですか?

「子どもが絵本を見てくれない。聴いてくれない。」「どんな絵本を読んだら、うちの子は喜ぶのだろう・・・。」「書店や図書館には絵本がたくさんあるけれど、うちの子に合った絵本ってどんな絵本だろう?」

 

 実は絵本の読み聞かせにもコツがあり、また絵本の選び方にもポイントがあるのです。それらを知って実践することで、日々の読み聞かせがウンと楽しくなり、毎日続けられるようになります。

 

 このコラムでは子育て絵本アドバイザーの前田ちひろさんに、絵本の読み聞かせのお悩みを解決するためのヒントを寄稿いただきました。

(前田ちひろさんについてはコラム最下部でプロフィールを紹介します。)

同じ絵本の読み聞かせを何度も求める。

 反応する絵本はいつも同じもので、何度も読んでと言われてしまうことってありませんか?いろんな絵本を読んであげたいのに・・・と悩む方、とても多くいらっしゃいます。

 

子どもが絵本を読んでいるときは、滑り台を滑っているときと同じ状況と言われています。「あー楽しかった!もう1回!」私たち大人からすると、「今滑ったばかりでしょ。ブランコ乗りにいこうよ。」とか、「もうお家へ帰ろうよ」などと思ってしまいますが、子どもからすると、楽しいことは何度でも味わいたいのです。

 

 もしお子さまが同じ絵本ばかり読み聞かせをせがむ場合には、お子さまの心が満たされるまで、できる限り何回でも読んであげてください。そのうちにきっと、新たな興味・関心にうつっていきます。どうしても繰り返し読むことが難しい場合には、回数や時間を決めて、終わりの目処を示してあげると納得しやすいでしょう。

集中力が続かない、じっと聴いていられない、席をたってしまう。

 まずは集中できるように環境を整えてあげましょう。お子さまによっては、周りの音や光、匂いなどが気になってしまうが場合があります。

 

 読み始めたあとも落ち着かないようでしたら、「読みたくなったら言ってね。お母さんはいつでも読むよ。」などと声をかけてあげると、お子さまも安心します。読み聞かせは寝る前だけ、などと考えずに、お子さまの体調がよく機嫌の良いときであれば、いつ読んでも大丈夫です。お子さまのペースに合わせて読んであげてください。

 

<こんなことをチェック!>

■場所

絵本はどこに置いていますか?お子さまが過ごすことの多い部屋に、まずは絵本を置いてみましょう。そしてお子さまの目に入り、手が届く場所に収納してください。

 

■音

テレビやラジオは消していますか?お子さまが気になる音は聞こえていないですか?

 

■数

ご自宅の絵本は何冊ありますか?子どもが絵本を見なくなったら、「もう充分読んだよ。満たされたよ。」の合図かもしれません。新しい絵本をぜひ購入されてください。

そもそも絵本に興味がない、見向きもしない。

 お子さまによっては、興味・関心に偏りがあり、予測できないことに不安を感じる場合もあります。いつもと同じようにすることで心の安定を図っている可能性もあるので、興味・関心を尊重してあげることも大切かもしれません。興味・関心が狭いようであれば、お子さまが不安にならないように、絵本を通して徐々に興味・関心の幅を広げてあげるようにしましょう。

絵本選びのポイント

■読み始めは生活絵本を!

 お子さまの年齢にかかわらず、読み始めは食べ物・乗り物・虫など、お子さまにとって身近なものをテーマに扱っているものが良いでしょう。色や絵がはっきりしているものがおすすめです。

 

参考絵本

・「くだもの」平山和子/福音館書店

http://amzn.asia/d/givT6jn

・「どうぶつのおかあさん」小森厚/福音館書店

http://amzn.asia/d/8hjAVqO

 

■リズム感のある文章を。

 私たち読み手が音読して楽しい、読みやすいと思えるものは、良い絵本のひとつと言えます。リズム感のある文章を選んでみるといいでしょう。

 

参考絵本

・「もけら もけら」元永定正/福音館書店

http://amzn.asia/d/3mmX9aL

・「きょだいな きょだいな」長谷川摂子・降矢なな/福音館書店

http://amzn.asia/d/76obMEC

 

■対象年齢は、あくまで参考!

 お子さまは普段、どのようなことに興味がありますか?好きなことは何ですか?飽きずに、繰り返し行っていることは何ですか?絵本を選ぶときも、お子さまが普段興味・関心を持っているものを優先に、まだ早い・もう読まないなどの判断はしなくて大丈夫です。

 

■絵を見るだけでストーリーの展開がわかるものを選びましょう。

参考絵本

・「ぎゅっ」ジェズ・オールバラ/徳間書店

http://amzn.asia/d/1eWpQvq

・「むしをたべるくさ」伊地知英信/ポプラ社

http://amzn.asia/d/1hftpJj

 

■様々な絵を体験しましょう。

 子どもは絵本を通して、絵本の世界を疑似体験します。お子さまの年齢や性別にこだわらず、様々な作者が書いた絵本を読んであげるとよいでしょう。

 

参考絵本

・「国旗のえほん」戸田やすし/戸田デザイン研究室

http://amzn.asia/d/0QkBGHi

・「てんとうむしの絵本」岳陽舎

http://amzn.asia/d/gTI1Vvw

絵本を通して、より楽しい充実した時間を!

 いかがでしたか?子育ては楽しいと思えることばかりでは、ないですね。大変に思うときもあれば、泣きたくなるくらいに辛いと感じるときも、ありますね。

 

でも大丈夫です。

 

お子さまを膝にのせて、お子さまへの気持ちを、絵本を読むその声に込めて、絵本を読んであげてください。

 

お父さまやお母さまの愛情は、想像以上にお子さまに伝わっています。

 

 最後に、お父さまお母さまにおすすめの絵本を紹介します。ぜひ一度ご自身のために、絵本を読んでみてください。癒やされたり、心がふっと軽くなったりするかと思います。

 

参考絵本

・「ラブ・ユー・フォーエバー」(作)ロバート・マンチ(訳)乃木りか(絵)梅田俊作/岩崎書店

http://amzn.asia/d/7URqdEX

前田ちひろプロフィール

子育て絵本アドバイザー。娘(12歳)と息子(7歳)の母。趣味は掃除。

大学卒業後、金融会社を経て、(株)ベネッセコーポレーションへ。12年間のフルタイム勤務の後、退職。子どもと一緒に過ごす時間は短くても、絵本を通して密度の濃い時間を過ごしてほしい!という想いから、絵本講座を開催。自宅にある絵本は1500冊。これまでに子どもに読んだ絵本は延べ20,000冊以上。

 

前田ちひろさん 絵本講座についてはこちら

https://www.reservestock.jp/page/event_calendar/4203

スタジオそら事務局

スタジオそらの事務局です。スタジオそらからのお知らせや、旬なニュース、子育てに役立つ情報などワクワクする情報をお届けします。

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