お問い合わせ 入会案内
特集
ヘルプマークは見た目では分からない障害があり、それを知らせる表示・マーク

発達障害あるあると困りごと対処例30選!

2026.07.13

 発達障害がある人はそれぞれの特性から、日常の様々な場面で困難さを感じている場合があります。しかしその困り感は自身で対処法を身につけたり、周りの人からサポートしてもらったりすることで、解消されることも多くあります。

 今回は一般的によく言われているような、発達障害に関連する困りごとにあわせて、今からあるいは将来的に、自分でできる対処例を整理してみました。いくつかの項目はご自身やご家族に当てはまることもあるかもしれませんが、多く当てはまるからといって、発達障害の可能性がある、あるいは項目が当てはまらないから発達障害ではない、といったことを示すものではありません。あくまで、ここでのねらいは困りごとの解決のヒントを示すことになりますので、ご注意いただければと思います。

【抽象的な表現が苦手なことに関するあるあると対処法】

  • 「○○を見てきて」と言われると見るだけになってしまう

対処法:
見るだけでいいのか、あるいはどのようなポイントを見て、何をすればいいかを具体的に確認する

 

  • 「自分で考えて」は何をすればいいか分からない

対処法:
職場では何か手伝えることはあるかを聞くようにする、
工作などでは作品例を見せてもらってそれに近いものを作るようにする、
作文などでは「いつ、どこで、何を…」とアウトラインを示してもらう

 

  • たくさん、ちょっと、などの表現の程度がわからない

対処法:
コップ半分くらい、おおよそ10分程度、など、表現の意味する目安を確認しておく、
よく使う場面があれば「ちょっと=10分、長め=30分」などの程度表を作って共有しておく

【急な予定変更に関するあるあると対処法】

  • トラブルが起こるとパニックになってしまう

対処法:
大事な場面では想定されるトラブルをメモしておき、それをみて対処する、
トラブルが起こったときに相談できる相手を見つけておく

 

  • 電車のダイヤ変更があると目的地までたどり着けない

対処法:
駅のスタッフに助けを求める、
「○番ホームの○○行きで○○駅で降りる」など時刻記載のない乗り継ぎ表を書いてもらう

 

  • 急な予定変更に気持ちの切り替えができない

対処法:
雨天延期などの情報があるときは事前に雨天の場合の当日の動きを教えてもらう、
××だったら××に変更になるなどあらかじめ変更する場合のことを教えてもらう

【もの忘れ・ワーキングメモリーに関するあるあると対処法】

  • 大切なものをすぐになくしてしまう

対処法:
目立つストラップをつける、首から下げる、鞄につける、
物を持ちすぎないようにする、相手に特性を伝えて大事な物を預からないようにする、
大切なもの入れを1つだけ作っておいて必ず入れる

 

  • 予定をすっぽかしたり、分からなくなったりする

対処法:
1冊のスケジュール帳で全て管理する、前日に相手に確認の連絡をしてもらうようお願いする
連絡を取った履歴を確認する、相手に特性を伝えて予定を忘れてしまったときの対処について共有する

 

  • 人の名前を覚えられない

対処法:
初対面の人は名前をメモに記録する、座席表があれば取っておく、
ミーティングの約束が入ったら、以前に会ったことのある人かどうか確認する、
相手に特性を伝えて、名前を確認することを許してもらう

 

  • 作業をしている途中で、何をしたかったのか分からなくなる

対処法:
1つの作業が終わってから次の作業の指示を受けるようにする、人と話すときはメモをとる、
TODOリストを作ってやることは記入し終わったら二重線を入れる、
買い物は出かける前に買うものをリスト化しておく
写真やスクリーンショットを撮って後からでも分かるようにしておく

 

  • 家の鍵をかけたか、火を止めたかなど自分の行動が思い出せない

対処法:
指さし確認をする、鍵をかけた後に開かないか扉を数回引くようにする

 

  • 忘れ物が多い

対処法:
必ず必要なものは目立つストラップをつける・鞄につける、
相手に特性を伝えて重要な持ち物があれば事前に連絡してもらう、
行先ごとに鞄を分けて必要なものを入れておく
持ち物リストを作って必ず確認する、いつも同じ鞄を使い全てそこに入れておく

【片付けが苦手なことに関するあるあると対処法】

  • 片付け全般が苦手

対処法:
分類や入れる場所を細かく決めず大まかなジャンルで片付け箱を作っておく、
片付けに対するごほうびを設定する、友達を部屋に呼ぶなど片付けのモチベーションをあげる、
物をたくさん持たない、後で片付けるボックスを作っておいて溜まったら片付けるか断捨離する

 

  • 衣類が散らかってしまう

対処法:
脱衣所で着替えを完結させる、頻繁に脱ぐ場所に洗濯かごを設置し溜まったら洗濯する、
干したハンガーのままクローゼットにかける、
洗濯物は畳まず大まかなジャンル分けをしてかごに入れる

 

  • プリントが溜まる・無くしてしまう

対処法:
必要なプリントは壁に貼り終了してから捨てる、大切な案内はスマホで写真を撮っておく

【感情のコントロールに関するあるあると対処法】

  • 様々な場面で癇癪・イライラ・怒ってしまう

対処法:
落ち着ける方法を見つけておく、その場から一度離れる、スマホのメモに感じたことを書く、
音楽をきく、飴を舐める、トイレなどの1人になれる場所に行く

 

  • 学校や職場などで相手から理解してもらえない

対処法:
まずは相手の話を聞くようにする、イライラが出そうになっていたら教えてもらい落ち着ける方法を試す

【聴覚過敏・鈍麻あるあると対処例】

  • 見たい番組なのにテレビの音がうるさく聞こえる

対処例:
消音設定にして、字幕で見る

 

  • 買い物などで出かける際、環境音や人の声がうるさく聞こえる

対処例:
体調によってうるさく感じやすい時がある場合は日を改める
できるだけ人が少ない時間に出かける
耳栓やイヤーマフ、ノイズキャンセリングイヤホンを活用する

 

  • 環境音も会話と同じ音量で聞こえてしまい、上手く聞き取れない

対処例:
会話は比較的静かな環境へ移動して行う
話しかける際は肩を叩く・名前を呼ぶなどして注意を引いてから話を始めてもらう
長時間の会話はスマホを通してイヤホンをつけて会話を行う
ボイスレコーダーで録音させてもらって再確認できるようにする

 

  • 換気扇の音やエアコンの音、雨風の音などがうるさく感じる

対処例:
耳栓やイヤーマフ、ノイズキャンセリングイヤホンを活用する
リラックスできる音楽を流す

【視覚過敏あるあると対処例】

  • LED電球で目が疲れる

対処例:
サングラスや遮光眼鏡、虹彩付きソフトコンタクト、ブルーライトカットレンズをかける
電球を変える

 

  • インターネットでの調べ物が、情報量が多すぎて疲れる

対処法:
言葉の意味などは辞書を使用する、人に聞く、AIに要約してもらう

 

  • プリントが白すぎて見づらい

対処法:
再生紙など、白色度の低い紙に印刷してもらう、半透明の色付き下敷きを通して見る

【嗅覚過敏あるあると対処法】

  • 洗剤や柔軟剤、芳香剤、香水、タバコのにおいを嗅ぐと気分が悪くなる

対処法:
マスクをする、マスクに好みの香りをつける

 

  • 電車などの人が多いところでの人の臭いが苦手

対処法:
苦手な臭いを感じたら車両を変える、人の少ない時間を選ぶ、
マスクをつける、マスクに好みの香りをつける

 

  • お弁当箱の中の様々な料理が混ざった臭いが苦手

対処法:
料理ごとにタッパーを細かく分ける

【味覚過敏・鈍麻あるあると対処法】

  • 歯磨き粉の刺激で気分が悪くなる

対処法:
子ども用の歯磨き粉を使う、歯磨き粉を使わずに歯を磨く

 

  • 肉や魚、貝類、野菜など特定の触感が苦手で食べることができない

対処法:
食べられるようになるまで無理に食べない、少量食べて徐々に量を増やす、
食に興味を持ち自ら食べてみたくなるまで待つ、
食事に誘われた際の上手な断り方を身につけておく

アレルギーということにして、注文の際に特定の食材を除いてもらうよう頼む

 

  • 薄い・濃い味付けが同じ味に感じて、手料理を出す際に困る

対処法:
レシピ通りの分量で味付けを行う

 発達障害は脳の機能障害であると考えられており、それによって生じる困りごとは本人の努力や保護者のしつけでは解決できないことも多くあります(こちらのコラムもあわせてご確認ください。子どもの発達障害とは?家庭でのしつけ・本人の努力不足ではない)。困りごとに直面したときの対処法をあらかじめ身につけておいたり、周りからのサポートを受けられる環境を整えたりすることで、本人のつらさや困り感はずいぶん解消されることがあります。もしご自身やまわりの方で、同様の困りごとがあれば、それぞれに合う対処法をいろいろと試してみて、徐々に「自分にあった方法」に気づくことができると良いでしょう。

小関俊祐/発達障害療育研究所アドバイザー

桜美林大学リベラルアーツ学群准教授。公認心理師、臨床心理士、日本ストレスマネジメント学会認定ストレスマネジメント®実践士、認知行動療法スーパーバイザー®、専門行動療法士、指導健康心理士®。日本ストレスマネジメント学会理事長、一般社団法人日本認知・行動療法学会理事及び企画委員長、一般社団法人公認心理師の会理事及び教育・特別支援部会長などを務める。2019年より発達障害療育研究所・スタジオそら顧問として活動。

著者について見る >