発達検査の種類と内容とは?新版K式発達検査を中心にまとめます。
2019.01.15- 発達検査の種類
- 検査報告書を活用し、子育て・支援の検討を
- 新版K式発達検査について
発達検査は、子どもの心身の発達の程度を調べる検査のことです。知能検査も同時に検査されることもよくあります。(知能検査については https://studiosora.jp/column/1132/ を参照下さい。)発達検査は、診断をつける際に用いられる検査だと思われている点がありますが、実際はお子さんの客観的なデータを得ることで、よりよい支援に活かすために活用されます。
お子さんの発達の遅れが気になる場合は、発達検査を受けてみるのも一つの方法です。しかし発達検査には、いくつかの種類があり、受ける発達検査の中でも評価がそれぞれ異なります。今回はその発達検査について一部ご紹介します。
発達検査の種類
検査はいくつかのカテゴリーに分かれており、そのお子さんの状態を客観的に把握するために使われます。発達検査、知能検査などがあり、いくつかを活用してお子さんの強み・弱み、ニーズに応じた支援や指導を考えるために活かされたりもしています。
それぞれの検査では、心身の発達状況を測定します。しかし医療機関によって取り扱う検査の種類は異なり、検査によって測定できる内容も変わります。
■発達検査
・新版K式発達検査
・乳幼児精神発達検査
・日本版デンバー式スクリーニング検査
・日本版Bayley-Ⅲ 乳幼児発達検査
などがあります。
※WISC−Ⅳ、WAIS−Ⅲ、田中ビネー知能検査Ⅴなどは、発達検査ではなく「知能検査」になります。知能検査については次回のそら通信で解説します。
検査報告書を活用し、子育て・支援の検討を
発達検査や知能検査を受けた後に、検査報告書を受ける・受け取ることが可能です。検査によって評価のされ方が異なるので、検査報告から具体的な見通しや接し方など、今後の支援の見通しとして考えられそうなことを知ることができます。しかし、検査報告書は、その受けたところによって書式や書き方が異なることがあります。結果の解釈が難しいと思われる場合には、検査者からの説明を依頼してみましょう。機関によっては、検査報告を実施しているところもあります。
検査結果は必ずしも子どものすべての問題がわかるものではなく、今後の支援のための参考として活用されます。
検査報告を発行する時には、その機関によっては発行手数料がかかるところもあるので、検査報告書が必要な場合は、受診する機関への問い合わせを行って手数料の有無を確認してください。
新版K式発達検査について
ここでは発達検査でよく活用されやすい「新版K式発達検査」についてお伝えします。
この検査では、その子どもがとる行動や反応を同年齢と比較して、発達の度合いが実際の年齢よりどのくらい差があるかを評価する検査です。評価する領域は「姿勢・運動」(P-M)、「認知・適応」(C-A)、「言語・社会」(L-S)の3領域があり、それらについて評価されます。
対象年齢は幅広く幼児から成人まで可能です。なお3歳以上では「認知・適応」面、「言語・社会」面に重点が置かれ評価される検査です。検査の結果は、3領域の「発達指数」と「発達年齢」を知ることができます。
検査実施時は1対1で実施します(検査者と被検査者)。
・適応年齢:生後100日後~成人
・時間: 約15~60分程度(個人差はあります)
<引用・参考文献>
国立特別支援教育総合研究所
http://forum.nise.go.jp/soudan-db/htdocs/index.php?key=mudncwnlg-477
辻井正次(監修)明翫光宣(編集代表)松本かおり・染木史緒・伊藤大幸(編)(2014)『発達障害児者支援とアセスメントのガイドライン』金子書房.