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特集
知能検査とは

知能検査の種類と内容とは?WISC-IVを中心にまとめます。

2019.06.10
  • 知能検査の種類
  • WISC-IV
  • 知能検査で大事なこと

 知能検査とは、文字どおり、知能を測定するための検査です。知能と一言にいっても、その中身はさまざまです。IQ(知能指数)は、一般的にも馴染みの深いものでしょうか。ただし、知能検査の本来の目的は、IQを出すことではありません。前回のそら通信「発達検査」(https://studiosora.jp/column/862/)でも触れていますが、お子さんの客観的なデータを得ることで、よりよい支援に活かすために活用するというのが、本来の目的です。

 人は誰でも、得意なこと、苦手なことがあります。文系理系、運動が得意、美術が得意、料理が得意、物を作るのが得意…。一般には「個性」と呼ばれることもありますが、このような得意不得意について、客観的に理解する知能検査について、ご紹介します。

 

知能検査の種類

 知能検査は、その目的や測定する知能の性質、対象となる子どもの年齢などによって、いくつかの種類があります。実際には、成人向けの知能検査もありますが、ここでは子どもを対象としたものを中心にご紹介します。

 

・WISC-IV (5歳~16歳11ヶ月)

・WAIS-III (16歳~89歳)

・田中ビネーV (2歳~成人)

・K-ABC (2歳6ヶ月〜12歳11ヶ月)

などがあります。ローマ数字は、改訂された版数を指します。年代によって、一般的に求められる知識が変化したり、研究が進むことによって、知能を構成する要素が変わったりするために、10数年ごとに、改訂が行われることがあります。

 

WISC-IV

 ここでは知能検査でよく活用されやすい「WISC-IV」についてお伝えします。WISC-Ⅳでは、全般的なIQ(全検査IQ)と、4つの下位検査指標が算出されます。

 

・言語理解指標(Verbal Comprehension Index: VCI)

 言葉を中心とした検査であり、物の名前や言葉の理解などについての検査によって算出されます。日頃から物の名前を教えたり、本の読み聞かせをしたりするなど、さまざまな経験を積むことによって、比較的伸びやすい能力といえるかもしれません。

 

・知覚推理指標(Perceptual Reasoning Index: PRI)

 目で見たものの理解を中心とした検査であり、実際に手を動かして回答するような検査によって算出されます。目から入った情報を適切に処理し、身体に伝えることができているかを確認しています。地図を読むのが得意だったり、設計図を書いたり理解したりすることが得意な人は、知覚推理指標が高いと考えられます。

 

・ワーキングメモリー指標(Working Memory Index: WMI)

 複数の情報を同時に処理したり、順序立てて処理したりする能力を測定する検査によって算出されます。学校での指示(最初に〇〇をして、次に☆☆をして、最後に△△しましょう)や板書をする力と関係しています。料理などが得意な人は、ワーキングメモリー指標が高いと考えられます。

 

・処理速度指標(Processing Speed Index: PSI)

 文字通り、どれくらい早く物事を処理できるかを測定するような検査によって算出されます。決められたことをどんどんこなすことができるような人に、処理速度指標が高い人が多く、事務処理作業なども、うまくできる方が多いように思います。

 

検査実施時は1対1で実施します(検査者と被検査者)。

時間:約15~60分程度(個人差はあります)

 

知能検査で大事なこと

 発達検査とも共通しますが、一番大事なことは、IQの数値を知ることでも、何ができないかを知ることでもありません。お子さまが「何が得意か」、を知ること、そしてそれを伸ばすためにどんな支援が有効かを考える材料にすることがとても大切です。検査をして結果を封筒に入れたまましまっておく、というのはもったいないことです。検査の結果から、将来お子さまがどんな生活をして、どんなところに喜びを感じるのか、ぜひ想像してみてください。知能検査の結果には、お子さまの幸せのためのヒントがたくさん詰まっているはずです。

 

<参考文献>

上野一彦・松田修・小林玄・木下智子 (2015) 『日本版WISC-IVによる発達障害のアセスメント』日本文化科学社

 

佐々木和義(監修)小関俊祐・石原廣保・池田浩之(編著) (2016)『認知行動療法を生かした発達障害児・者への支援~就学前から就学時,就労まで~』 ジアース教育新社

 

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