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特集
子育ての上手なほめ方

ほめる子育ては子どもの成長に効果あり?ほめるポイントや大切さを解説します。

2019.08.13

 「子どもはほめて伸ばそう」、「ほめる中心の子育てを」と、さまざまな機会で耳にします。もちろん、「叱る」よりは「ほめる」方が良さそうなことはわかります。しかし、「ほめる」はなぜ大切なのでしょうか。

 

「ほめる」の意味とは?

 みなさんは、子どもをどのようなときにほめていますか?子どもがお手伝いをしてくれたとき?子どもがテストでいい点をとったとき?子どもがこれまでできなかった、鉄棒や跳び箱ができたとき?

 

 実は、「ほめる」ということには、さまざまな意味が隠されています。

 

「称賛」はもっとも一般的な、ほめるの意味でしょうか。子どものできたことを、「すごいね」、「やったね」と、ほめることは称賛の意味を持つことが多いはずです。

 

その他にも、「注目」の意味を持つことがあります。子どもが保護者の目を意識している、していないにかかわらず、頑張ってものごとに取り組んでいる姿に対して「頑張ってたね」とほめることは、「お母さんはちゃんとあなたが努力している様子を見ていたよ」というメッセージを伝える意味を持ちます。

 

ついつい、良くないことをしてしまったり、怠けてしまったりしていると、すぐさま「何やってるの!?」と、子どもからするとあまりうれしくない「注目」を与えることになってしまうかもしれません。その一方で、頑張ったことに対して「ほめる」を用いたうれしい「注目」をしてもらえないと、「どうせ頑張ったって僕のことみてくれない」、「頑張っても意味がない」、「僕の悪いとこ探しをしてるんだ!」と、子どもが勘違いしてしまう事態も引き起こす可能性があります。

 

子どものいいところは、「遠くであたたかい目で見守る」よりも「しっかりと近くで伝える」ために、ほめてあげることが大事です。

 

 また、「確認」の意味をもつほめるもあります。子どもが、新しい課題や自信のない課題に取り組んでいるときに、「いいね、いいね、その調子!」、「OK!できてるよ!」とほめることは、子どもの取り組みが正しいことを伝えるという意味を持ちます。

 

 普段はあまり意識しないで自然に口に出ている「ほめる」言葉ですが、実際にはこのように、いろんな意味を持っています。このほかにも、「感謝」、「驚嘆」、「同意」など、ほめるにはたくさんの意味があることが知られています。この「ほめる」の意味を意識していただくだけで、日常での「ほめる」回数も増えるはずです。

 

子どもを「どう」ほめる?ポイントは5つ!

 そうはいっても、なかなか「効果的に」ほめるのは難しいですよね。どんなほめ方があっているのか、子どもによっても異なるということも、「ほめる」のが難しいポイントかもしれません。そうはいっても、いくつか「効果的な」ほめ方には共通する要素があります。整理してみましょう。

 

① すぐほめる

どんなに長くても60秒以内にほめないと、子どもは何をほめられたかわからない可能性があります。望ましいのは5秒以内でしょうか。

 

② 行動をほめる

結果はほめやすいので、ついつい、「〇点とってすごいね!」、「〇回できたじゃん!前回より多いよ!」とほめたくなりますが、これだと、永遠に高い成果を出し続けなければいけなくなってしまいます。また、このような結果は「たまたま」できた、という要素も多分に含まれます。それよりも、「〇分勉強頑張ったね!」、「手の使い方が上手だったよ!」と、その結果に至った「行動(プロセス)」に着目しましょう。

 

③ いろいろな言い方で、具体的にほめる

「すごいね」だけでは、「いつも『すごい』ばっかりじゃん。ほんとにそう思ってる?」とか、「何がすごいってほめてくれてるんだろう?」という疑問を抱く子どももいるでしょう。上記の「行動」を意識しながら、具体的に、さまざまな表現を意識してほめてみましょう。

 

④ みんなでほめる

みんなで一斉に、よりも、何回かに分けてほめる方が効果は高まります。たとえば、お手伝いしてくれてすぐにお母さんがほめ、お父さんが帰ってきたら「お手伝いしてくれたんだってな。ありがとう」とほめ、次の日も、「昨日はほんとにたすかったわ」とほめることができるでしょう。

 

⑤ 細かくほめる

何回もほめる方法は、みんなでほめるだけではありません。1つの行動や出来事を、細かく分けることで、何回もほめることができます。勉強の際、鉛筆を持ったら「おっ、やる気だねぇ」、1文字目を書いたら「上手に書けてるじゃん」、2文字目を書いたら「そうそう、その調子」、3文字目のあとには「いいね~、字うまくなったね!」と、1行書くだけでも、ほめるシャワーを浴びせることができます。これによって、たとえばもっと丁寧に字を書いてほしいときや間違った字を書いてしまったときには、「あれれ、いつもの調子と違うんじゃない?」と声をかければ、叱ることなく注意を促すことができるでしょう。

 

子どもが大きくなると、「ほめる」は効果がないの?

 小学校高学年以降の保護者からは、「大きくなると、ほめても全然喜ばない」というお話(訴え?)をよく聞きます。でも、本当にそうでしょうか。

 

我々大人も、職場で上司や同僚から、家庭で家族から、バスで席を譲った知らない人からでも、ほめられると嬉しいですよね。そう考えれば、子どもだって、なかなか表情には表さないだけで、ちゃんとほめたことは伝わっていることがほとんどです。

 

 では、どのようにしてほめたことが、きちんと伝わっているのか、確認できるのでしょうか。そのヒントは、ほめた「あと」にあります。お手伝いしてくれたことをほめたら、「フン」といって、部屋に行ってしまった我が子をみると、ショックを受けてしまうかもしれません。

 

しかし、次の日もそのお手伝いをしてくれたのであれば、ほめたことがきちんと伝わっている証拠です。「ほめる」ことには、ほめた行動を増やす、起こりやすくする効果があります。ほめて終わり、ではなく、そのあとの子どもの行動の変化にも着目していただくことが重要です。

 

さいごに

 「ほめる」はごくごく自然なコミュニケーションですが、ついつい日常に慣れてしまうと、できたことが当たり前になってしまい、ほめにくくなってしまうことがあります。ただ、これまで子どもをほめたことがないという保護者もいないでしょう。ちょっとした意識の向け方で、ほめる効果は高まり、子どもと保護者の関係もより良いものになります。「ほめなきゃ~!」と躍起になるよりも、少し肩の力を抜いて、「楽しみながらほめる」ことをイメージしながら、関わってみてください。

 

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小関俊祐/発達障害療育研究所アドバイザー

桜美林大学心理・教育学系准教授。 日本認知・行動療法学会公認心理師対策委員及び倫理委員、一般社団法人公認心理師の会運営委員及び教育・特別支援部会長、日本ストレスマネジメント学会常任理事・事務局長を務める。 2019年より発達障害療育研究所・スタジオそらアドバイザーとして活動。

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