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発達障害とは

文部科学省が提唱する「発達障害」

2023.06.12

発達障害の定義

文部科学省「発達障害者支援法」によれば、発達障害とは「自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢に於いて発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。また発達障害があるもののうち18歳未満を発達障害児と定義しています。

 

発達障害の診断基準にはアメリカ精神医学会が作成するDSM-5や世界保健機関が作成するICD-11が用いられますが、疾患の内容がすべて一致しているわけではありません。

 

DSM-5では「自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」は、1つの自閉スペクトラム症(ASD)としてまとめられました。自閉スペクトラム症の特性としては様々ですが、社会性の難しさ、コミュニケーションの難しさ、柔軟な行動をとっていくことの難しさ、感覚過敏と過鈍などが挙げられます。(自閉スペクトラム症について詳しくはこちら)

 

「注意欠陥多動性障害」は注意欠如・多動症(ADHD)としてDSM-5で示されています。注意欠如・多動症の特性としては、不注意性、多動性、衝動性などが挙げられます。(注意欠如・多動症について詳しくはこちら)

学習障害に関して

学習障害(LD)の文部科学省の定義については「学習障害児に対する指導について(報告)」で触れています。

 

「学習障害児に対する指導について(報告)」によると「学習障害とは、基本的には、全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力の習得と使用に著しい困難を示す、様々な障害を指すものである。」と定義されている。

 

DSM-5では限局性学習障害としてまとめられていますが、DSM-5では「読み」「書き」「計算」に限定されています。(学習障害について詳しくはこちら)

小学校における発達が気になる児童の数

2022年12月に発表された「通常学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について」によると、小学校において学習面又は行動面で著しい困難を示す児童は10.4%と示されています。

 

調査は2002年より10年ごとに実施されていますが、2012年の同調査で小学校において学習面又は行動面で著しい困難を示す児童は7.7%で、前回より2.7%増えている結果となっています。

 

増加の理由としては、「今まで見過ごされてきた困難のある子供たちに

より目を向けるようになったこと」「1日1時間以上テレビゲームをする児童生徒数の割合が増加

傾向にあること」「言葉や文字に触れ

る機会が減少していること」「対面での会

話が減少傾向にあること」「体験活動の減少などの影響」などが考えられるとしています。

 

<引用文献・参考文献>

文部科学省「発達障害者支援法」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/1376867.htm

文部科学省「通常学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について」https://www.mext.go.jp/content/20221208-mext-tokubetu01-000026255_01.pdf

発達障害療育研究所

スタジオそらに所属する言語学博士、言語聴覚士、臨床心理士など、様々な分野の専門家が集まる研究所です。発達障害を中心に、関連の情報を分かりやすく解説します。

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