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低緊張とは?低緊張の意味や特徴、改善のための支援方法についても解説。

2022.07.11

低緊張とは

 低緊張についてお話する前に、筋緊張について考えてみましょう。筋緊張は文字通り、筋肉の緊張状態を指します。

 

大事なテストや仕事のときには、肩や腕等に力が入る緊張状態にありますが、これは過緊張状態といえます。普段、椅子に座っているときも、姿勢を保ち(=姿勢保持)椅子に座り続けるためにも、筋肉は持続的な一定の緊張状態にあるといえます。この適度な緊張状態を保つことによって、すぐに次の動作に移ることを可能にしています。

 

 一方、このような適度な筋緊張が保てないと、姿勢を保つために力を入れたり力を抜いたりすることがスムーズにできず、しっかりと意識しながら体を動かしたり姿勢を保ったりしなければならなくなります。

 

そのため、授業中等は常に意識的に緊張状態を保たなければならなくなるのですが、実際にはずっと緊張状態を保つことは困難です。そのため特に低緊張なお子さんは、姿勢保持が難しく姿勢が崩れてしまい、保護者や先生からはやる気がないと評価されてしまうことも増えてしまいます。

 

低緊張のお子さんの特徴

 低緊張のお子さんの特徴の第一に、姿勢を保つことが困難であることが挙げられます。姿勢が悪く猫背になってしまったり、背もたれに寄り掛かる、机にもたれたりするような様子がよく見られるかもしれません。また、座っているときにいつももじもじしていたり、寝そべることが多くなったりすることも起こるでしょう。姿勢を保つことが困難なため、じっとすることはもちろん、授業や課題等に集中することも難しくなります。そのため、ウロウロすることが多くなり、多動のように見えることがあります。それでも、授業中等は姿勢を保つことが求められるため、常に意識して緊張状態を作り出そうと努力し、他の人よりも疲れやすくなってしまう傾向にあります。

 

 そのほかにも、体のバランスを適切に保つことが困難で、動き始めや動きの切り替えがスムーズにいかないために、転びやすいお子さんもいます。また体幹だけではなく、肩や腕を支える力が弱いお子さんもいます。そのため、字を書くなどの細かい手先の動きが苦手だったり、体をもたれさせたりするために手が使いづらくなったりしていることもあります。

 

筋緊張を高め、低緊張を改善するための支援

 筋緊張を高めるためには、大きく、①持続的な筋活動を行う、②体のバランスを養って体幹を鍛える、の2つに大別されます。

 

①持続的な筋活動を行うためには、行動し続けるような活動が有効です。鉄棒やジャングルジムなどで体を支えながらぶら下がったり移動したり、ブランコに乗ったりすることもよいでしょう。いつもより少し早歩きで移動することも有効です。

 

②体のバランスを養って体幹を鍛えるためには、バランスボールやトランポリンに乗ることや、プランク等のいわゆる体幹トレーニングも有効です。

 

いずれも楽しみながら行うことが重要ですが、加えてまだ筋緊張が高まっていない状態では、落下や転倒等に十分に気を付けて行うようにしましょう。必ず、保護者の目の届く範囲で実施するようにしてください。

 

まとめ

 低緊張とその支援について紹介しました。低緊張は染色体異常の症候群や発達障害等の中枢神経系の障害との関連も指摘されています。意識しても緊張状態が保てない等の場合には、医療機関に相談することも選択肢として持つとよいでしょう。また、低緊張のお子さんは、運動することに苦手意識を持ちやすい傾向にもあるようです。筋緊張を高めるためのトレーニングも、無理なく楽しみながら継続していくことが重要となります。

 

小関俊祐/発達障害療育研究所アドバイザー

桜美林大学リベラルアーツ学群准教授。公認心理師、臨床心理士、日本ストレスマネジメント学会認定ストレスマネジメント®実践士、認知行動療法スーパーバイザー®、専門行動療法士、指導健康心理士®。日本ストレスマネジメント学会理事長、一般社団法人日本認知・行動療法学会理事及び企画委員長、一般社団法人公認心理師の会理事及び教育・特別支援部会長などを務める。2019年より発達障害療育研究所・スタジオそら顧問として活動。

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