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ご紹介/段々色ギャラリー・障害者アートを広く知ってもらい、障害にとらわれない1つの作品として正しい評価をされる社会の実現を。
2019.05.13(この記事は、外部団体・企業で行われる取り組みのご紹介となります。内容の詳細についてのお問合せは、下部に記載する団体・企業へご連絡ください。)
障害者アートを専門に取り扱う「段々色ギャラリー」では、一人ひとりの独自の感性を活かした作品が展示されています。段々色ギャラリーを運営する株式会社段々色の代表福江敬太郎さんに、想いをききました。
独自の感性と表現は生まれながらのアーティスト
障害者が描いたアート作品をご覧になった方はどれほどいらっしゃるでしょうか。最近で
はよく展覧会が開催されたりしていますから、テレビなどで見られた方はいらっしゃるか
もしれません。
障害者アートの魅力は何と言っても表現の自由さ。色彩が飛びはねる絵だったり、とても
緻密に描かれていたり、デフォルメが強烈だったりします。これは、彼らの作品が人の評
価を気にせずに描かれているからなのでしょう。
小さい子供はそれぞれ自由に絵を描きますが、少し大きくなるとみんな似たような絵を描
くようになります。太陽は赤で描くものだとなんとなく覚えていったり、こうやって描い
たら笑われたから次からはやめようとか、自然に一定の型にはまっていきます。障害者ア
ートにはこの妙な型がありません。
では幼稚な絵なのかというと、決してそんなことはありません。これは写真を見ていただ
ければおわかりだと思います。
また、障害者が通って絵を描いている施設によっては、それぞれの障害者作家の能力を引
き出すように様々な工夫をしているところもあるんです。クレヨンしか使ったことのない
作家に油絵具の使い方をちょっとずつ教えたり、足しか動かない人に、足で描けるように
周囲で協力したり。みんな、それぞれの場所で独自の能力を磨いています。
![](https://studiosora.jp/wp/wp-content/uploads/2019/05/DSC08205-1.jpg)
![モノトーンで書かれた障害者アート。](https://studiosora.jp/wp/wp-content/uploads/2019/05/DSC08202-1.jpg)
障害にとらわれない、1つの作品としての評価を。
こうして障害者アートに優れた作品が生まれてくるのですが、残念ながら絵が販売される
機会はとても少ないのです。これにはいくつか理由があります。
まず、知的障害のある方には自分で意思表示ができない人がいます。そうすると、販売し
ていいのかどうか第三者にはわかりませんから、無難に「じゃあ売らないことにしよう」
という結論になるということ。また、そもそも福祉は公平が大原則なので、特定の作家だ
けが利益を得てしまう一般社会のルールにはなじまないこと、などです。
かくして障害者アートは閉ざされた世界にありました。でも最近では障害者作家の権利を
守る法律の勉強会もあちこちで実施されてきていますし、来年のオリンピック・パラリン
ピックに向けて日本の障害者アートを海外にどんどん発信し、販売も推し進める法律(障
害者による文化芸術活動の推進に関する法律)ができたりしています。
展示されるだけではなく、販売されることが大事だと私たちは思っています。なぜなら、
お金を払うというのは、入場料とは違い、その絵に対する明確な評価だからです。障害者
の作品が普通の作品と同様に正しく評価されること。その対価が作家に支払われること。
私たちは、その仲立ちになりたいと思っています。
対価が払われる段階で、その障害者はプロの作家になるわけです。これはご家族にとって
も意味のあることだと考えています。
段々色ギャラリーは下北沢にある、主に知的障害、精神障害のある作家の作品を扱うギャ
ラリーです。興味のある方は軽い気持ちで覗きに来てください。お待ちしています。
障害者アート専門「段々色ギャラリー」
〒155-0032
東京都世田谷区代沢5-28-12 藤田ビル2A
TEL:03-5787-8299
営業日時:金曜日、土曜日、日曜日、月曜日
13:00~19:00