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特集
登園登校を始める子ども

登園・登校再開に関するお子さまの事前準備と心構えをまとめます

2020.06.12

 2020年5月14日に39県で緊急事態宣言が解除され、教育現場においても徐々に学校再開に向けて、分散登校等の対応方針が、都道府県ごとに示されていることと思います。

 

 学校再開は、多くの子どもたち、保護者にとって待ち望まれたことではありますが、これまでに誰も経験してこなかった事態の変化に伴い、さまざまな懸念もあるでしょう。ここでは、学校再開に向けた準備について、整理をしたいと思います。

 

焦らず、急がず、日常のペースの再構築を

 これまでの休校・休園、自粛生活の中で、生活リズムが乱れているお子さんもいるのではないでしょうか。

 

登校時間に向けて、一気に切り替えられるのであればあまり心配はありませんが、夜型になってしまったり、ゲームを止められなかったりしているお子さんもいらっしゃることと思います。

 

 その場合、生活リズムを立て直すことが必要ですが、焦って子どもに関わろうとすると、ついつい口調も厳しくなり、子どものイライラやパニックを引き起こすことにもなりかねません。

 

まずは1日の生活のなかで、「関わりやすいところから変えていく」という視点を持ってみましょう。

 

一般には、起床時間や朝食の時間からコントロールすることで、生活リズムを整えやすくなるといわれていますが、晩御飯の時間、入浴の時間など、比較的焦らずに声掛けができる、夜の時間帯からコントロールを試みても良いかもしれません。

 

「今日から一気に整える」ではなく、「少しずつ、徐々に整える」のイメージで、日常生活のペースをつかむための作戦を立ててみましょう。

 

予定の変更は「当たり前」

 今後の展開については、なかなか予測がつきにくいと思います。子どもたちの中には、先の見通しが立たなかったり、急な予定変更を受け入れることが苦手な子どもたちがいることでしょう。

 

仮に、「月曜日は学校」と決まっても、場合によっては急に変更になる事態があるかもしれません。予定を伝える場合には、「変更になる可能性もある」ということを合わせて伝えるようにしましょう。また、予定が変更になった場合の代替案(月曜から学校の予定だけど、もしかしたらおばあちゃんの家でお留守番かも)も伝えておけると、なお良いと思います。

 

 それでも、急な予定の変更は起こりうるでしょう。それに対して、「仕方ないでしょ!」と叱っても、あまり効果がない場合が多いです。「残念だね」「嫌だったね」と、子どもの気持ちを汲み取るよう話を聞いていただくと良いと思います。また、「早く学校行けるといいね」など、お子さんが楽しみにしていることについて、話題を切り替えられるとなお良いでしょう。

 登校時の不安については、こちらもご参照ください。

https://studiosora.jp/column/1339/

 

登校渋りが見られたら…

 これまでの比較的自由度の高い生活から、登校時間も決まり、給食では嫌いな食べ物も出てきて、宿題も出されるような、子どもにとっては一度にさまざまなストレスにさらされることも予想されます。

 

なかには、「学校に行きたくない!」と訴えるお子さんもいるでしょう。そのようなときには、「行きなさい!」と叱るのでも、「今日だけ休んでいいよ」と甘やかすのでもなく、「学校に行きたくない」の中身を整理してみましょう。

 

具体的には学校に行かないことで得られる「いいこと」と、学校に行くことで生じる「いやなこと」の2つの視点で整理することがお勧めです。たとえば、TV見放題、ゲームし放題、お母さんと一緒にいられる、などは「いいこと」、勉強しなきゃいけない、苦手な友だちに会わなきゃいけない、先生に叱られるかも、などは「いやなこと」に分けられるでしょう。

 

 いいことといやなことに分けて整理ができたら、学校に行くといいことが得られるように、作戦を立てましょう。例えば、「学校にいかないとTVを見ることはできないけれど、学校から帰ってきたら見られるよ」などと約束を明確化しましょう。同様に、学校に行くことで生じそうないやなことに対しては、担任の先生とも共有するなどして、「学校に行ったけど、いやなことは起きなかった」という経験が積めるよう、サポートしましょう。困ったときの対処法を身につける機会ととらえることも重要です。

 

まとめ

 学校が再開しても、しばらくは子どもも大人も、落ち着かない状況が続くかもしれません。不安が高まったときには「できていた時のこと」を思い出して、その時の状況に近づけるような工夫をしてみましょう。

 

小関俊祐/発達障害療育研究所アドバイザー

桜美林大学心理・教育学系准教授。 日本認知・行動療法学会公認心理師対策委員及び倫理委員、一般社団法人公認心理師の会運営委員及び教育・特別支援部会長、日本ストレスマネジメント学会常任理事・事務局長を務める。 2019年より発達障害療育研究所・スタジオそら顧問として活動。

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