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忘れ物が多いお子さんへのかかわりのポイント

2026.05.11

 毎朝のように、あれがない、これがない、急に「~~持って行かなきゃいけないんだった」、急いで園に向かう途中で「帽子忘れた!」…、忘れ物があると、朝からイライラしたり、余計に時間がかかったりと、それだけで疲弊してしまうこともあるでしょう。未就学児だけではなく、小学生や中学生にとっても、教科書や筆箱のように日々の決まったものだけではなく、イレギュラーで持参しなければいけない図工の道具や体育着などを、忘れずに用意することは、けっこう難しい課題であるともいえます。このようなお子さんに対してのかかわりのポイントや支援の仕方について、確認をしてみましょう。

忘れ物が多いお子さんへのかかわりのポイント

①「いつやるか」を確認しよう

 よくあるパターンとして、登園や登校時間ギリギリになってから、「今日はクレヨン持っていくんだった」とか「水筒がない!」と気づいて、慌ててしまうということがあると思います。お子さんも保護者も焦りますし、「なんで早く言わないの!」と叱っても、お子さんはますます焦るだけで、いいことはありません。

 このようなことを防ぐためには、「いつ、準備するか」を、生活スケジュールのなかに組み込むことが有効です。

園や学校から帰ってきてからすぐでも、晩御飯を食べた後でも、実際にいつにするかは、家庭の状況などを加味しながら、お子さんと相談できるとよいでしょう。習い事のある曜日などを考慮しなければならないこともあるかもしれません。ある程度、自分で準備できているお子さんであれば、「明日の準備した?」「晩御飯食べたら何するんだっけ?」「特別な持ち物ない?」と声をかけてあげるだけでよいでしょう。未就学のお子さんなどの場合には、声をかけつつ、ある程度習慣化するまでは、一緒に準備することが必要です。

 

②「どのようにやるか」を確認しよう

 準備のきっかけさえつかめれば、自分でできるというお子さんの場合には、①の声掛けだけで十分でしょう。自分で準備することが難しいお子さんには、声掛けや視覚的なサポートなどの工夫が必要です。「上履きもったね」「クレヨンはここに入れるよ」と、確認しながら準備をし、「しっかりできたね」という経験を蓄積していくことが必要です。

 

また、毎日持っていくものに関しては、文字や写真、イラストなどで分かるように表にして、はじめはお子さんと一緒にチェックをし、徐々にお子さんが自分でチェックし、保護者は見守る、という形に移行できるとよいでしょう。お子さんのなかには、「持ち物袋に上手に入れられずにはみ出してしまう」といったことにつまずく方もいるかもしれません。袋を大きめにして対応することも良いですが、保護者がきれいに入れた状態を写真に撮り、それをお手本にお子さんに入れさせるような対応も有効です。

 

③「どこにあるか」を確認しよう

 園や学校に持っていくものが、おおよそどこにあるかが分かっていると、お子さんも自分で見つけ、準備をしやすくなるでしょう。毎日持っていくもの(ティッシュやハンカチ、鉛筆など)、毎週月曜日に持っていくもの(上履きや給食着など)、特定の教科やイベントのときに持っていくもの(絵具、クレヨン、半紙など)、などをある程度分けて、家のなかのどこに置いておくかを決めておくことをお勧めします。場所が決まっていれば、園や学校から持ち帰ったときに、「どこに置くんだっけ?」「片付けてね」という声掛けだけで、適切な場所にしまうことができる可能性も高まるでしょう。 

まとめ

 今回は、忘れ物が多いお子さんへのかかわりのポイントについて、「いつ」「どのように」「どこ」の3つの視点で整理を行いました。今回ご紹介した観点は、時間の構造化、手続きの構造化、空間の構造化を活用したものとなっています。構造化については、こちらの記事(https://studiosora.jp/column/1867/)でもご紹介していますので、ぜひご参照ください。

小関俊祐/発達障害療育研究所アドバイザー

桜美林大学リベラルアーツ学群准教授。公認心理師、臨床心理士、日本ストレスマネジメント学会認定ストレスマネジメント®実践士、認知行動療法スーパーバイザー®、専門行動療法士、指導健康心理士®。日本ストレスマネジメント学会理事長、一般社団法人日本認知・行動療法学会理事及び企画委員長、一般社団法人公認心理師の会理事及び教育・特別支援部会長などを務める。2019年より発達障害療育研究所・スタジオそら顧問として活動。

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